2015-16年秋冬コレクションで浮上した注目トレンドの一つである「ノー・ジェンダー」。
これは男女兼用の「ユニセックス」、異性の服を着る「クロスジェンダー」からさらに進化して、洋服を楽しむのにもはや性別は関係ない、という発想なのだけど、2015-16秋冬シーズンのコレクション・ルックを見ると、トレンドに「ノージェンダー」の波が押し寄せていることをひしひしと感じる。
今日は、今回の秋冬コレクションを通してファッションとジェンダーの関係について考えようかなと思います。
「ノー・ジェンダー」の筆頭となったのはGUCCIとSANT LAURENT。クリエイティブ・ディレクターにアレッサンドロ・ミケーレを迎えたGUCCIはこれまでのシックでセクシーな女性らしいスタイルを一新、女性性もありながら自由な価値観をはらんだ複雑な世界観を構築した。たとえばメンズコレクションに女性モデル、ウィメンズコレクションに男性モデルを登場させるなど、男性性や女性性に重きを置くイタリアの伝統を覆すようなジェンダーレスな価値観を表現したといえる。
SANT LAURENTのディレクターであるエディ・スリマンは、2012年の初コレクションからノージェンダーを提案してきたが2015-16年秋冬コレクションではそのコンセプトをさらに徹底し、男女をまったく区別しないスタイルを作り上げている。女性より華奢な男性モデルがシフォンのブラウスやリボンを纏う一方で、女性モデルは力強いアウターを身に纏い、さらにメンズコレクションのフィナーレで女性モデル2人が先陣を切った。
PRADAは男女で同じ素材とスタイルを提案し、
LOEWEは男女でシェアできるワードロープのアイデアを掘り下げるなど、
今回のコレクションからは性差と対峙したルックが数多く見られます。
長くなりそうなので2回に分けます。つづく ♡