秋に聴きたい音楽(邦楽編)

(秋に聴きたい音楽のつもりが、気づいたらもうすっかり冬になっていました… 記録として残しておきます)

 

普段は洋楽を聴くことが多いのだけど、涼しくなってくると日本の音楽が恋しくなります。秋に合うなと思って最近よく聴いている5枚について書きました。

 

二枚目-すばらしか

f:id:naminoutatane:20211015000246j:image毎年、肌寒くなってくると必ず聴きたくなるすばらしかのこのアルバム。

初めて聴いた時、なんて格好良くて芯の通った音楽なんだろう!と感動した覚えがあります。アルバムの最初の一曲は "今俺は音楽しかしたくない"というひと声から始まるのだけど、その言葉の通り あぁ彼らは本当に音楽が大好きでたまらないのだな、という気概が曲から伝わってきます。

「悲しみなんてしょせん」という曲がお気に入り。歌詞が好き。すばらしかの曲はどれも歌詞にロマンがあって素敵です。

悲しみなんてしょせん 一瞬のことだろう
君は知らない街で 僕を知らない誰かになる
殺気をまとった言葉が 君を傷つける

そんなとき君の涙が 街に降りつける
雨になるなら 傘も差さずに濡れたいんだ

ザラザラとした質感のボーカルとギターの旋律がこれからの季節によく合いそう。マフラーぐるぐる巻いて歩きながら聴きたくなります。メンバーの方が御茶ノ水にジャズ喫茶をオープンしたらしいので是非行ってみたい…。

 

森の向う側-工藤将也

f:id:naminoutatane:20211015000252j:image ちょうど昨年のこの時期、例によって邦楽が聴きたくなって色々と探している中で巡り合ったのが工藤将也でした。彼ののびやかな声の虜になって夢中で曲を聴き漁りました。柔らかいけれど強さのある、不思議な魅力のある声。

2ndアルバムの『森の向う側』は、ジャケットのイラストのように、じめっとした森の中にいるような、怪しくて掴みどころのない雰囲気もあれば、こころに寄り添うような穏やかさも感じる不思議なアルバム。

その中でも「涼しい砂漠」は、ずっと聴いてたいなぁと思うような心地良いイントロから、彼の声が重なってサビに向かって引き込まれていく、一連の流れが素晴らしい…。新しいアルバムも準備中らしいのでとっても楽しみです。 

 

Moving Days-Homecomings

f:id:naminoutatane:20211015000312j:image京都が大好きでよく行くのだけど、とりわけ秋は京都に恋焦がれる季節です。涼しい夕方に川沿いを散歩したり、紅葉を見たり、喫茶店でお茶をしたり… そして京都といえばHomecomings。

京都を拠点に活動しているバンドでしたが、なんと21年から拠点を東京に移したそうで、今年出たアルバムが良かったです。今までとは違った雰囲気の曲も多くて新鮮でした。もちろん「Here」のようなHomecomingsらしい曲もあり。切なくてあたたかい、優しさで溢れたメロディに救われます。


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みらべる-ayU tokiO/SaToA

f:id:naminoutatane:20211015000323j:imageレコードを買ったけど封を開けてないまましばらく経って、こないだようやく聴いたらとっても良かった、ayU tokiOとSaToAの2組によるスプリットアルバム。

SaToAは女子スリーピースバンドで、三人の雰囲気や声色はとても穏やかなのだけど、曲からはキリッとした冷たさも感じます。その冷たさがこの肌寒い気温とマッチしていると思う理由なのかなぁ。

ayU tokiOの曲は初めて聴いたけど、夕方に部屋で聴くのにぴったりな音楽で癒されました。そういえば、最近出たパソコン音楽クラブのアルバムにayU tokiOとの共作があって、そちらもとても良かったです。聴いていて落ち着く声。

 

心理-折坂悠太

f:id:naminoutatane:20211015000332j:image折坂悠太の新作が出ました。この間観た映画の予告に宣伝ムービーが出てきて、気になってすぐに帰り道で聴いたアルバム。

折坂悠太の音楽はとても味わい深いのだけど、自分はその味わい深さから郷愁や古い記憶のようなものを感じ取りすぎて、日常で何度も繰り返し聴くような音楽ではないと思っていました。でもこのアルバムは、今までのような味わい深さと共に、どこか不穏な、聴いていてハッとするような瞬間があってとても気に入りました。不穏だけど身体にすっと馴染む音楽。実はこの間ライブにも行ってきたのですが、素晴らしかったです…。

 

コロナで季節の境目が曖昧になってしまった分、最近は音楽から季節を感じることが多くなったような気がします。

冬は何を聴いて過ごそうかな。