ファッションから紐解くジェンダー 2

昨日は最新コレクションに垣間見えるジェンダーについて考察したけれど、今日は少し時代を遡って、1990年代〜2000年代のブランドキャンペーンからジェンダーを紐解いてみようと思います。

 

ブランドが各々のイメージをアピールする手段としては、コレクションの他にキャンペーンがある。1980〜90年代は、1960年に端を発したゲイムーブメントが最盛を迎え、ゲイクラブで独自のカルチャーが築かれた時代。そんな中、95年にDIESELがある一枚の広告を発表した。ポスターには、港でキスを交わす海軍男性の姿が写されていたのだけど、この扇動的なビジュアルは当時のゲイコミュニティーにおいて大きな話題となったそう。

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 2008年からRayBanが開始した’NEVER HIDE’シリーズは、2012年に仲睦まじく手を繋ぐ男性二人のビジュアルを発表した。

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RayBanはそれまでLGBTを思わせるような広告キャンペーンを一切展開しなかっただけに、このキャンペーンは当時のブランドのファンに大きな衝撃を与えた。

 

最近では、2014年にMSGMが発表したキャンペーンビジュアルが印象的。男性同士や女性同士でキスやハグをしているが、なんだか爽やかでキュートな印象。

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まとめると、90年代以降、ファッション業界は男性性や女性性に基準を置かず、男女を区別しない自由でノージェンダーな価値観を提案し、広めようとしていることが分かる。ファッションにおけるメンズ、ウィメンズの垣根はもうなくなりかけてるのではないか?

ファッションとはコミュニケーション手段のひとつであり、私たちはそれを身体に身につけることによって自らのアイデンティティーを表現することができる。だからこそ、その表現は、性差やジェンダーによって妨げられることは決してあってはならない。私もミニスカートが穿きたい日もあれば、メンズのオーバーサイズなニットを着たい日もある。メンズやウィメンズといった服の区別なしに、好きなものを好きな人が着たらファッションはさらに楽しくなるんじゃないかな?