2020年上半期ベストアルバム

2020年上半期ベストアルバム10選。

上半期と言ってももう7月末、記事を書くのが大分遅くなってしまいました…。

 

West of Eden-HMLTD

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大好きなロンドンのロックバンドHMLTD、待望のファーストアルバムが今年の2月に出ました!♡

最近はHAIMやTame Impalaのような、心地よい軽さと耳馴染みの良い音楽が流行りなのかなぁと思っているのですが、個人的にはお洒落にまとまった音楽より、軋んで歪んだ、マグマがふつふつと沸き上がるような温度の音楽を求めています。

HMLTDのこのアルバムは、1曲目のイントロから何かが起こるような高揚感があってワクワクする!アルバムとしての作りが完璧で、最後まで通して聴くとまるでひとつの演劇を鑑賞したかのような充実感を感じられます。

「To the Door」など若干おかしな曲で盛り上げつつ、途中に「Mikey's Song」のような甘酸っぱい曲を入れてくるところが、たまらなく良い…泣

「Where's Joanna?」はアルバムの中でも特に好きな一曲。不安を煽るようなサウンドとラストに向かってのテンションの上げ方が最高!

 

The Main Thing-Real Estate

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Real Estateの5thアルバム。このアルバムは、全体を通して懐かしさを感じるメロディーで溢れていて、わたしたちの心をすっと撫でていくような癒しがあります。所々で鳴り響くギターのサウンドが、切なくて美しい。特に「Falling Down」のギターはとびきり切ないです。

良い意味で変化のない、単調なアルバムだと思います。家でずっと流していても飽きない、優しさと静けさのつまった一枚です。

 

color theory-Soccer Mommy

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Soccer Mommyの2ndアルバムも、とても優しくて良かったです。Soccer Mommyは好きすぎてこのブログで何回も紹介しているけれど、彼女の歌声にはこれまで何度も助けられてきました。

Soccer Mommyの歌は歌詞もメロディーも割とメランコリックだしアップテンポな曲も少ないけれど、聴くとどんな応援ソングよりも励まされた気持ちになります。本当に、歌声がすごく好みです。

昨日も嫌なことがあって、このアルバムを聴いたらだいぶ心が平和になりました。そんなお守りのようなアルバムです。

 

Born Again-Ellis

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Ellisは前にも一度紹介した、カナダ・ハミルトン出身の新人アーティスト。

2019年はHachieとHannah Cohenという女性ソロアーティストにすごく嵌ったのだけど、Ellisの音楽にも彼女たちと通じる透明感がある気がします。

透明感と言っても、Ellisの場合は鮮明すぎない声とメロディーが朧げで静謐。霧がかった森や湖の中にいるかのような気分になります。

 

EXETER-Bladee

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year0001所属・Bladeeのアルバム、これまでの彼の作品の中でもかなりお気に入りです。

ラップはあまりたくさんは聴かないのだけど、Bladeeの楽曲にはそんな自分でも繰り返し聴いてしまう魅力があります。音が跳ねたり煌めいたり、トラックがすごく作り込まれていて聴いていて楽しく、何度聴いても飽きない。

イントロの「MIRROR(HYMN)」はとりわけ音の煌めきを強く感じます。そしてこのイントロから、Ecco2kとのコラボ曲「WONDERLAND」へのつながりが素晴らしい!「LOVESTORY」では曲の始まりから流れる、ガラスのような音と彼のひんやりとした歌声がとてもマッチしています。

 

WOMB-Purity Ring

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Purity Ringは、カナダ・モントリオールで結成し、(おそらく)現在はLAを拠点に活動するシンセ・ポップデュオ。彼らの曲を聴くのはこの5thアルバムが初めてだったのだけど、聴いた途端好きになってしまいました。

こちらのアルバムも、音が本当に煌めいている!何重にも重なった音と、ボーカルのキャッチーでスウィートな歌声とが幻想的な世界観を作り出しています。

アルバム通して聴くと、何かの儀式に参加したかのような壮大さを感じます。ジャケットのイラストもこのアルバムのイメージにぴったり。

 

Deep Down Happy-Sports Team

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ロンドンの新人ロックバンド、Sports Teamのデビューアルバム、本当に本当に、ちょっと泣きそうなくらい最高でした…!

ロンドン・シーンからは数え切れないくらい良いロックバンドが出てくるけれど、Sports Teamはそんなロンドンの中でも唯一無二の存在感を持っていると思います。

反骨精神を見せすぎず、かといって甘酸っぱすぎず、完璧なバランスで圧倒的な完成度のアルバム。このアルバムを聴いたらきっと誰でも笑顔になるんじゃないかなぁ。

全曲好きだけど、「Here it Comes Again」が特にお気に入り。印象的なボーカルに意識をもってかれがちだけど、ギターの音がすごく良い!

各々の自宅で撮影された、「Camel Crew」のMVもとっても可愛い〜

Sports Team - Camel Crew - YouTube

 

Safe Sins-Gladie

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フィラデルフィアの男女デュオ、Gladieのデビューアルバムです。

デビューアルバムなのに新人ぽくないなぁと思っていたら、2017年に解散したガールズロックトリオ、CayetanaのAugusta Kochによる新プロジェクトのようです。

メロディーはとても緩やかでドリーミーなのだけど、ボーカルの少しざらついた声がアクセントになっていて、よくあるドリーム・ポップとはひと味違う雰囲気。朝の目覚めによく合いそうです。

Collecter-Disq

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Disqはウィスコンシン州マディソンを拠点に活動している5人組ロック・バンド。

最初聴いた時はあまり印象に残っていなかったのですが、ある日アルバムの中の「Loneliness」という曲を聴いたらなんとも言えない気分になりました。青春の鬱屈した感情と、孤独と、少しの諦めが入り混じった感じ。後半にかけて少しずつ激しくなる部分は、彼らの感情が爆発していくようでとても美しい。この曲から彼らにハマり出し、ここ最近はずっとリピートしています。

「Daily Routine」のMVはほどよいチープさが可愛いです。

Disq - Daily Routine [Official Music Video] - YouTube

Disq、あのイギー・ポップもお気に入りらしい。これからの活躍が楽しみなバンドです!

 

Gathering Swans-Choir Boy

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Choir Boyによる4年ぶりのニューアルバム。

最近のニューリリースで一番衝撃を受けました。Choir Boyの音楽は、ポップとダークネスと妖艶さが共存していて、さらにどこまでも伸びやかなボーカルの歌声が、これでもかとわたしたちの胸を締め付ける。ちょっと痛いくらいに切なくて、泣きたくなるような美しさのメロディ。音楽を聴いてここまでエモーショナルな気分になるのは久しぶりでした。

「It's Over」のイントロは夜明けにみる朝日のように神秘的。「Complainer」の疾走感ときらめき。「Nites like this」の穏やかさや静けさは、夜の海の細波を連想させます。

ゾンビのようなジャケットや、本人たちの奇想天外な出で立ちからは想像できないような、繊細でロマンチックなアルバムです。

 

以上、今年も10枚選んでみました。

2020年はコロナでこれまでの日常ががらっと変わり、いつもの何倍も音楽に救われました。家に篭っていた2ヶ月間は起きている時間ずっと何かしらの音楽を聞いていて、こんなに音楽の有り難みを感じたことはないんじゃないかってくらい、好きな音楽たちに助けられていました。

こんなにパワーを貰ってばかりでいいのかなと思っていたけれど、素晴らしいと思ったアーティストのCDやレコードを購入すること・それらのアーティストを紹介することがわたしに出来ることなのかなと言う思いで、このブログを書いています。

 

最近もSokoやHotel Lux、WidowspeakにCrack Clowdなど素晴らしいニューリリースが目白押しでとってもワクワクしています!2020年後半も素敵な音楽にたくさん出逢えますように。